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CASE STUDY

事例・実績

 

技術伝承のための熟練左官工の動作分析 2023.8.00 人間工学会

建設業界での人材不足は深刻な課題で、国土交通省の資料1)によれば2023年度には約21万人の人材不足が予測されている。人材不足の解決策として就労人口の純増や生産性向上に資する技術開発が政策として掲げられている。その例としてICTを全面的に活用して建設生産システム全体の生産性向上を図る試み、建設業従事者個々の生産性向上を目的とした建設リカレント教育用の建設技能トレーニングプログラム(建トレ)の公開が国土交通省主導で実施されている。
本研究では左官工を対象として、熟練技能伝承のために熟練者作業動作の暗黙知の見える化に資する動作分析を目的とする。

 
 
 

 ローラーブラシによる上下方向塗装時の熟練技能工の手の速度の分析

本研究では,塗装の熟練技能工の技術伝承に資するために,ローラーブラシによる上下方向の往復塗装動作の分析を目的とする.ローラーブラシは,比較的広範囲を一面塗装する際に使用する一般的な塗装道具である.上下方向の往復運動は,実場面でのローラーブラシ塗装において頻繁に見られる動作の一つである.作業中の立ち位置は移動せず,下肢の屈伸等全身を使う上下方向の動作のみのため,個人差が少なく,塗装者共通の基本的な動作の特徴を抽出するのに適していると考えた.特定の身体部位に着目した詳細な動作分析に新規性があると考えている.ここでは操作者が意識しやすい塗装時の手の位置と手の速度・加速度との関係を明らかにして,初心者教育の資料とすることを目的とする.